ひび割れ注入

IPH(内圧填接合補強工法)

特徴・種類

□概要
経年劣化や地震などにより傷んだコンクリート構造物の「強度回復」「長寿命化」を実現する技術です。従来の樹脂注入工法では、樹脂がコンクリートの表層部の修復に留まり、構造体内部の機能回復までは達する事が出来ません。本工法は、コンクリート内部に存在する空気と注入樹脂を置換し、穿孔した穴の内部から放射状に拡散する事により、末端の微細クラックまで充填する事ができます。鉄筋コンクリートの付着強度を高めるだけではなく、髙い防錆効果も得られ、耐久性の向上につながる工法で、土木学会では技術評価を得ており、工法特許も取得しています。

 

□特長
①空気と樹脂の置換・・・地球上には空気があり、もちろんコンクリート内部にも存在します。表面のひび割れから押し込む注入をすると押し戻す力が働き、ひび割れ奥まで充填することができません。本工法は、注入位置に穴をあけ、空気を抜き取る作用を持つ注入器(IPHカプセル)を使用し注入することで、コンクリート内部に存在する空気を樹脂に置き換えることができます。
②高密度充填・・・本工法は、注入を開始した一瞬のうちにコンクリート内部の空気を抜き取ることで、負圧の状態を作り出し、超低圧で注入することで、流動性の高いエポキシ樹脂を高密度・高深度にかつ、ごく微細なひび割れまで充填が可能となります。計測実績からは0.01mm程度の微細なひび割れまで充填されています。
③強度回復・耐久性向上・・・高密度に充填ができることから、圧縮強度及びコンクリートと鉄筋の付着強度が回復し、耐久性の向上も期待できるため、構造物の長寿命化につながります。 本工法施工後の部材の力学的性能の向上は、実際の現場や大学実験によって確認されており、建設当初の設計強度の回復、さらには向上も期待できる技術であると土木学会で評価されています。 また、欠損部補修後に注入を行うことで既存躯体部と補修部を一体化させ、再剥落の防止対策となります。
④鉄筋防錆・中性化抑制・・・注入により鉄筋に沿って樹脂が拡がり、鉄筋に対し被膜を作ることにより防錆効果を高めることができます。 また、微細な空隙に充填されることから、空気、ガス、水分等のコンクリート内部への侵入を防ぎ、中性化や塩害、ASR(アルカリシリカ反応)などの劣化進行の抑制効果も期待できます。
⑤経済性の向上・環境対策・・・本工法の施工により、耐久性の向上が見込まれ、構造物の補修間隔を延ばすことができます。また、劣化部分に対しては削り落とすことなく、そのまま欠損部補修+注入を行うため、コンクリート廃棄物が減少し、施工費や工期が低減できます。注入器(IPHカプセル)本体は、転用可能で経済的です。また、本工法に使用する機器は騒音・粉塵・振動等を低減した専用工具であり、施工性が向上し、作業者や周辺環境にも配慮しています。道路・鉄道・空港等、多くの施設は併用の妨げを最小限にして、施工をすることが可能です。

 

□用途:補強・ひび割れ補修・止水

 

□使用範囲:コンクリート構造物

 

□協会名:IPH工法協会

施工事例
  • 施工_宇品_広島県港湾振興局

  • 施工_猿猴橋_広島市

  • 注入状況_橋台_安佐北4区407号線(雲田橋)橋りょう補修工事(3-1)

  • 注入状況_主桁_町道天田線天田橋橋梁補修工事(神石高原町)

図面