はじめに

みなさん、家で出た生ごみはどうされていますか?
多くの方が可燃ごみとして出されていると思います。汚い・臭いなどと敬遠されがちな生ごみですが、もともとは私たちの生活に欠かせない栄養分をたくさん含んだ食べ物なので家庭菜園やガーデニング堆肥として利用することができます。

そこで、私たちに出来ることは何なのか?と考え、この家庭から出される生ごみを少しでも堆肥化(リサイクル)して頂くための手段として環境に優しいミミズを使った生ごみコンポスト容器をこの度開発しました。 1人ひとりの行動が地域を変えます。未来を変えます。

小さいことからコツコツと、地球の為に始めてみませんか。

光和商事株代会社 代表取締役
久保 利幸

  循環型社会を目指して 広島市の家庭ゴミの状況

ミミズの説明

ミミズについて

ミミズ

ミミズは世界中に何千種類もいますが、ミミズコンポストができるミミズはシマミミズです。庭から掘ると出てくるような大きさのミミズは有機物を食べません。

体長は5cm~10cm程度(大人) と意外と小さいです。調理くずや食べ残しなどの有機物を食べて堆肥に変えます。年中無休で働く、地中の働き者です。

 

ミミズの繁殖について

ミミズの快適な環境

ミミズは雄雌胴体の生物で、2匹のミミズが交尾後、卵(卵包) を産みます。卵包は約3週間でふ化し、約8週間程度で大人になります。そして卵包を作れるようになるのがその2週間後です。卵包を産み始めるとそれから6ヵ月から1年くらい1週間に2~3個卵を産み続けます。しかも1個の卵包から2~3匹のミミズは生まれます。

広島ミミズの会の代表、加用さんは4月に、500匹からミミズコンポストを取組始め、秋には毎日500g ほどの生ごみを処理できたそうです。この時には、ミミズは2500匹(1kg) くらいに増えていたのではないでしょうか。

このようにミミズの繁殖力は大変大きいですから、最初は500匹くらいから徐々に増やしてもいいようです。
(弊社では500g 程度のミミズを最初に提供します。)

 

ミミズの重量と食欲について

ミミズ一匹の体重は約0.4 g で、一日に食べる生ごみは自分の体重の約半分です。平均的は4人家族では一日に約500gの生ごみがでます。

これを処理するには、1kg (2500匹) 分のミミズが必要になります。ミミズは半年で5~10倍に増えますから、半年もすると1家族4人分の生ごみを十分に処理できるまでに増えます。

ミミズはココナッツ繊維が大好きで、最初はあまり生ごみを食べません。初めは生ごみが無くなったら与えるというように、少しずつ生ごみ(えさ) を与えていって投入量を増やして下さい。*ミミズは自分の住み家が落ち着くまで生ごみを食べません。徐々に慣れさせる必要があります。

例: ミミズが500gでしたら(500g ×1/2=250g)
これがミミズが一日に食べる生ごみの量です。

 

ミミズコンポストとは? 

ミミズ箱の大きさ

ミミズの繁殖力やミミズの食欲は環境によってさまざまです。
ミミズコンポストは床面積 40cm×40cm (約0.16㎡)です。

ミミズは体重にして約2000g〜4000gで、生ごみを1kg〜2kg程度食べます。

ミミズコンポストに必要な条件

  1. 深さが20 cm~ 45 cm程度
  2. 不透明な容器
  3. 通気性に優れる容器
  4. ふた

ミミズコンポストの詰め物(ミミズ床)

一般的には牛フンだったり、腐葉土だったりと有機物がミミズは大好きです。今回は家庭用ということもあり、早くミミズが環境になれるように、ミミズ堆肥とその他の堆肥をブレンドしたミミズの詰め物(ミミズの床) を用意しました。

詰め物の役割は、炭素の供給、水分調整、酸素を貯めるなどです。
ミミズは新しい環境にはすぐには慣れません。ミミズの床を入れ徐々に生ごみを入れるようにして下さい。
(意外とでデリケートな生き物です。)

ミミズコンポストの特長

ミミズコンポスト「金子みみずちゃんの家」大解剖

1.臭わない

ごみが臭うのは酸素が無い所でごみが腐るからです。ミミズコンポストでは酸素が行き渡った状態で生ごみを腐らせ、ミミズが食べるので臭いはほとんどしません。一度臭いを嗅いでみて下さい。驚かれると思います。

2.電気を使わない

ミミズで生ごみを処理する為、電気は全く使用しません。又、ランニングコストなども全く掛りません。

3.安くて手頃

ミミズコンポストは電動処理機のように、イニシャルコストもかかりません。

4.場所をとらない

ミミズコンポストは、小さなスペースで生ごみを処理できます。ベランダ、庭、軒下等のスペースで出来ます。

5.いつでも処理できます

ごみステーションまでのごみの運搬、生ごみの出し忘れ等、生ごみの諸問題から解放されます。

6.良質な堆肥が出来る

ミミズコンポストで生ごみを処理すると大変良質な堆肥ができます。

 

入れていいもの

野菜くず、果物、お茶、コーヒーかす、煮物、乾物、草花、新聞紙、ダンボール、ご飯、パン、麺類、残飯、キャベツ、肉、魚(骨は食べませんが、内臓はOKです)、お菓子、納豆、コンニャク、etc…

あまり入れない方がいいもの

ねぎ類、油、ガム、柑橘類、etc…

入れてはいけないもの

液体(ジュース、牛乳、みそ汁)、刺激物、味付けの濃いもの、etc…

ミミズの豆知識

<参考文献>

『貴方もしませんか?ミミズで生ごみリサイクル』加用 誠男…著 P13
『生ごみリサイクルハンドブック』 広島市環境局 編・発 P25 (2008年)
『だれでもできるミミズで生ごみリサイクル』
 メアリー・アッペルホフ…著 佐藤 みどり…訳 P158 (合同出版株式会社1999年)
『土の生きものと農業』 中村 好男…著 P103 (株式会社創森社2005年)
『ミミズの博物館』
 ジェリー・ミニッチ…著 河崎 昌子…訳 P200 (株式会社現代書館1994年)
『徹底攻略eco 検定 テキスト&問題集』
 藤倉 良…監 P263 (株式会社ナツメ社2007年)